バグ #1364
完了AppImage版にてMastodonアカウントの新規登録時、認証URLをクリックしても何も出ない
ファイル
再現手順
1. mikutter 3.9.0のAppImage(公式配布のx86_64版)をダウンロードし、実行権限をつける
2. AppImageをそのまま実行し、みくったーちゃんに従ってWorldを追加する
3. Mastodon -> 末代を選択し、認証URLのボタンを押すと、consoleに以下が出力され、ブラウザが開かない
XPCOMGlueLoad error for file /usr/lib/firefox/libmozgtk.so:
/usr/lib/libatk-bridge-2.0.so.0: undefined symbol: atk_component_scroll_to_point
Couldn't load XPCOM.
当方Manjaro (x86_64)ですが、あっきぃ製armv7lイメージをarchlinuxarmで実行しても、も同じようなエラーが出るようです。他の環境での類例も知りたいです。
で・じ・ きゃらっと さんが5年以上前に更新
- 題名 を AppImage版にてMastodonアカウントの新規登録時、認証URLwo から AppImage版にてMastodonアカウントの新規登録時、認証URLをクリックしても何も出ない に変更
- 再現手順 を更新 (差分)
で・じ・ きゃらっと さんが5年以上前に更新
軽く原因を追ってみました。
AppImageのビルドスクリプトである deployment/appimage/gen_appimage.sh は、
wget -q -O $APPDIR/usr/optional/exec.so https://github.com/darealshinji/AppImageKit-checkrt/releases/download/continuous/exec-x86_64.so
という形で exec.so のプリコンパイルドバイナリを引っ張ってきています。
これはAppImage内からAppImage外のプログラムを呼び出すときに使われるhookなのですが、これの説明文章によると、
export APPIMAGE_CHECKRT_DEBUG=1
を立てるとこの辺のcallがどうなってるか見られるよ、ということで、deployment/appimage/AppRun にこいつを仕掛けて Docker で AppImage を再生成し、consoleに出してみました。
このとき、こんなメッセージが出ました。
APPIMAGE_CHECKRT>> execv call hijacked: /usr/bin/xdg-open APPIMAGE_CHECKRT>> execve call hijacked: /usr/bin/xdg-open APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/bin/xdg-open, canonical path /usr/bin/xdg-open APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/bin/xdg-open, fullpath /usr/bin/xdg-open APPIMAGE_CHECKRT>> APPDIR = /tmp/.mount_mikuttOMhUWa APPIMAGE_CHECKRT>> External process detected. Restoring env vars from parent 2775 <--- (A) 後述を参照 APPIMAGE_CHECKRT>> Reading env from parent process: /proc/2775/environ APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: SHELL=/bin/bash APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: SESSION_MANAGER=local/shia:@/tmp/.ICE-unix/585,unix/shia:/tmp/.ICE-unix/585 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: WINDOWID=60865717 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: COLORTERM=truecolor APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: XDG_CONFIG_DIRS=/etc/xdg APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: XDG_SESSION_PATH=/org/freedesktop/DisplayManager/Session0 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: XDG_MENU_PREFIX=xfce- APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: GTK_IM_MODULE=fcitx APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: LC_ADDRESS=ja_JP.UTF-8 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: LC_NAME=ja_JP.UTF-8 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: SSH_AUTH_SOCK=/tmp/ssh-fFfEPNLpHltK/agent.631 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: ARGV0=./mikutter-3.9.0-x86_64.AppImage APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: XMODIFIERS=@im=fcitx (略) APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: LC_NUMERIC=ja_JP.UTF-8 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: _=/tmp/.mount_mikuttOMhUWa/usr/bin/ruby APPIMAGE_CHECKRT>> Error restoring env vars from parent <--- そして何故かコケている。 APPIMAGE_CHECKRT>> execve call hijacked: /usr/bin/gio APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/bin/gio, canonical path /usr/bin/gio APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/bin/gio, fullpath /usr/bin/gio APPIMAGE_CHECKRT>> APPDIR = /tmp/.mount_mikuttOMhUWa APPIMAGE_CHECKRT>> External process detected. Restoring env vars from parent 2807 <-- このプロセスはこのあと消える APPIMAGE_CHECKRT>> Reading env from parent process: /proc/2807/environ APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: SHELL=/bin/bash APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: SESSION_MANAGER=local/shia:@/tmp/.ICE-unix/585,unix/shia:/tmp/.ICE-unix/585 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: WINDOWID=60865717 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: COLORTERM=truecolor APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: XDG_CONFIG_DIRS=/etc/xdg APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: XDG_SESSION_PATH=/org/freedesktop/DisplayManager/Session0 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: XDG_MENU_PREFIX=xfce- APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: GTK_IM_MODULE=fcitx APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: LC_ADDRESS=ja_JP.UTF-8 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: LC_NAME=ja_JP.UTF-8 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: SSH_AUTH_SOCK=/tmp/ssh-fFfEPNLpHltK/agent.631 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: ARGV0=./mikutter-3.9.0-x86_64.AppImage APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: XMODIFIERS=@im=fcitx (略) APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: LC_NUMERIC=ja_JP.UTF-8 APPIMAGE_CHECKRT>> env var copied: _=/tmp/.mount_mikuttOMhUWa/usr/bin/ruby APPIMAGE_CHECKRT>> Error restoring env vars from parent APPIMAGE_CHECKRT>> execve call hijacked: /usr/local/bin/gio-launch-desktop APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/local/bin/gio-launch-desktop, canonical path (null) APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/local/bin/gio-launch-desktop, fullpath /usr/local/bin/gio-launch-desktop APPIMAGE_CHECKRT>> APPDIR = /tmp/.mount_mikuttOMhUWa APPIMAGE_CHECKRT>> External process detected. Restoring env vars from parent 1 <--- 親プロセスがそもそも間違っている余り1から取得しようとしている APPIMAGE_CHECKRT>> Reading env from parent process: /proc/1/environ APPIMAGE_CHECKRT>> Error reading file: /proc/1/environ (許可がありません) APPIMAGE_CHECKRT>> execve call hijacked: /usr/bin/gio-launch-desktop APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/bin/gio-launch-desktop, canonical path /usr/bin/gio-launch-desktop APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/bin/gio-launch-desktop, fullpath /usr/bin/gio-launch-desktop APPIMAGE_CHECKRT>> APPDIR = /tmp/.mount_mikuttOMhUWa APPIMAGE_CHECKRT>> External process detected. Restoring env vars from parent 1 APPIMAGE_CHECKRT>> Reading env from parent process: /proc/1/environ APPIMAGE_CHECKRT>> Error reading file: /proc/1/environ (許可がありません) APPIMAGE_CHECKRT>> execvp call hijacked: /usr/lib/firefox/firefox APPIMAGE_CHECKRT>> execvpe call hijacked: /usr/lib/firefox/firefox APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/lib/firefox/firefox, canonical path /usr/lib/firefox/firefox APPIMAGE_CHECKRT>> filename /usr/lib/firefox/firefox, fullpath /usr/lib/firefox/firefox APPIMAGE_CHECKRT>> APPDIR = /tmp/.mount_mikuttOMhUWa APPIMAGE_CHECKRT>> External process detected. Restoring env vars from parent 1 APPIMAGE_CHECKRT>> Reading env from parent process: /proc/1/environ APPIMAGE_CHECKRT>> Error reading file: /proc/1/environ (Permission denied)
要するにこいつは何をやっているのかといいますと、xdg-open 等を mikutter (AppImage内)から呼び出したときの処理をフックし、実行しているmikutterの親プロセス(AppImage外)が持つ環境変数を持ってきて、xdg-open 等の環境変数にすり替えるものと思われます(軽く説明とコードを見る限りそんな感じでしたが、一部ライブラリのすり替えなどもこれでやるようです)。
ところで、上記のconsoleが出た直後のプロセス構造はこうなっていました。
$ pstree -p -a systemd,1 <-- 後ろの方のhijackはここの環境変数を見に行っているが、もちろん取れるわけがない ├─ModemManager,270 (略) ├─mikutter-3.9.0-,2771 --debug │ └─{mikutter-3.9.0-},2772 (略) ├─xfce4-terminal,1276 (略) │ ├─bash,2446 │ │ └─pstree,2904 -p -a │ ├─bash,2612 <-- (C) ここなら確実にAppImage外の環境変数なので問題ないはず。 │ │ └─AppRun,2767 /tmp/.mount_mikuttOMhUWa/AppRun --debug <-- (B) 本来ここの環境変数をを見てほしい │ │ └─ruby,2775/tmp/.mount_mikuttOMhUWa/usr/share/mikutte <-- (A) ここはAppImageの檻の中。xdg-open は /usr/optional/exec.soにより、ここの環境変数を参照しようとしている │ │ ├─{ruby},2776 <-| │ │ ├─{ruby},2777 <-|-- おそらくこの4つのどこかで xdg-open が呼び出された │ │ ├─{ruby},2786 <-| │ │ └─{ruby},2898 <-| (略)
上記と対比させるとなんとなくわかるでしょうか。 本来は(B)または(C)の環境変数を取りたいのに、(A)の環境変数を参照しているため正しく参照されない、ということが考えられます。
ruby は構造上多層プロセスで何やら動いているようですので(※僕はこの辺詳しくないです)、階層が多く、これが結果的に mikutter で Web ブラウザを呼び出せない原因なのではないかなと思います。
で、どないすんねんといいますと、
・AppRun(※mikutterツリー内のものとは別です)にこんなpatchがあるので、これのプレコンパイルしたものを噛んで動かすようAppImageを作ってみるとか、
https://github.com/darealshinji/AppImageKit-checkrt/blob/master/AppRun.c.patch
・それでだめなら、exec.so のソースのこのへんとか、
https://github.com/darealshinji/AppImageKit-checkrt/blob/master/exec.c#L82
このへんを
https://github.com/darealshinji/AppImageKit-checkrt/blob/master/env.c#L106
いい感じにmikutterに合うように騙すか、
・あるいは別の実装
https://cgit.kde.org/scratch/brauch/appimage-exec-wrapper.git/tree/exec.c
を使ってみるか
...だと今の所と思っていますが試行錯誤中です。
toshi_a 初音 さんが5年以上前に更新
- ステータス を 実装待ち から レビュー待ち に変更
- 担当者 を で・じ・ きゃらっと にセット
- ブランチ を topic/1364-x にセット
なんかごめん
4pk mikutter さんが5年以上前に更新
対策版のAppimageを使ってもmikutterからURLをクリックしてブラウザがうまく起動しませんでした。
ディストリビューションは、Gentoo Linux、kernel-5.0.0、SurfacePro3です。
で・じ・ きゃらっと さんが5年以上前に更新
手元の環境でも topic/1364-x ブランチを引いてbuildしてみましたが、4pkさん同様、やはりうまくいっていません。
OSC京都のとき、としぁさんの環境でうまくいっていたのはなんでだったんでしょう。あれが祭りのパワーというのでしょうか。
環境は上の再現手順と同じで、現象発生直後の pstree -p -a はこう出ました。
├─xfce4-terminal,9027 │ ├─bash,9031 │ │ └─pstree,9783 -p -a │ ├─bash,9522 <-- 本当はここの環境変数がほしい │ │ └─ruby,9711 -x/tmp/.mount_mikuttxdhx06/usr/share/miku <-- たぶんここの環境変数を見てしまってる │ │ ├─{ruby},9724 │ │ ├─{ruby},9728 │ │ ├─{ruby},9736 │ │ ├─{ruby},9779 │ │ ├─{ruby},9781 │ │ └─{ruby},9782
もう少し思案してみます。
Yuto Tokunaga さんが5年以上前に更新
exec.so
を修正して解決しました.
再現手順¶
- AppImageを
mikutter-*.AppImage --appimage-extract
で展開する. - https://github.com/yuntan/AppImageKit-checkrt をcloneし,
make exec.so
でexec.so
を生成する. exec.so
をappimage内のusr/optional/exec.so
にコピー.- 添付したパッチをappimage内の
AppRun
に適用する.修正内容で重要な部分はexport APPDIR
です. ./AppRun
で起動.
手元のUbuntu 19.04で確認しました.
修正内容¶
ruby は構造上多層プロセスで何やら動いているようですので(※僕はこの辺詳しくないです)、階層が多く、これが結果的に mikutter で Web ブラウザを呼び出せない原因なのではないかなと思います。
で・じ・ きゃらっとさんの説明の通り,環境変数を参照する親プロセスが,AppImage内の環境で起動されているのが原因です.
そこで,取りたい環境変数が取れるまでプロセスツリーを遡るように修正しました. #1364-4 のpstree -p -a
の例で説明すると,2776のプロセスでexecv
をinjectした場合,2612のbashのプロセスまで遡り環境変数を取得します.
修正を適応した状態でexport APPIMAGE_CHECKRT_DEBUG=1
してデバッグを見てもらうとどう動いてるか分かります.
Yuto Tokunaga さんが5年以上前に更新
修正内容のmikutterへの反映¶
AppImageKit-checkrtのコードを,要らない部分を削るなどして修正しリポジトリに取り込んでしまうのが良いと考えていますが,ライセンスをどう扱うかについては要相談です.
toshi_a 初音 さんが5年以上前に更新
AppImageKit-checkrtのコードを,要らない部分を削るなどして修正しリポジトリに取り込んでしまうのが良いと考えていますが,
今もgithubからwgetして同梱しているだけなので、同じことをビルド手順上でもやってしまえばいいと思います。yuntanさんのリポジトリでやることに抵抗があるなら、organizerをmikutterにしても良いです。
ライセンスをどう扱うかについては要相談です.
本当だ、exec.soってライセンス特に書いてないのか……。
toshi_a 初音 さんが5年以上前に更新
4pk mikutter さんは書きました:
対策版のAppimageを使ってもmikutterからURLをクリックしてブラウザがうまく起動しませんでした。
ディストリビューションは、Gentoo Linux、kernel-5.0.0、SurfacePro3です。
で・じ・ きゃらっと さんは書きました:
手元の環境でも topic/1364-x ブランチを引いてbuildしてみましたが、4pkさん同様、やはりうまくいっていません。
OSC京都のとき、としぁさんの環境でうまくいっていたのはなんでだったんでしょう。あれが祭りのパワーというのでしょうか。環境は上の再現手順と同じで、現象発生直後の pstree -p -a はこう出ました。
[...]
もう少し思案してみます。
どうやら、あの時はホスト環境がUbuntu 18.04でしたが、これがビルド用DockerイメージのUbuntu 16.04の環境とよく似ていて、ライブラリを読みに行く場所は違うが、偶然ABI互換性があって起動できていただけだったようです。
Yuto Tokunaga さんが5年以上前に更新
本当だ、exec.soってライセンス特に書いてないのか……。
exec.c
, env.c
のヘッダにMITライセンスの記載がありました.改変して使って大丈夫そうです.
今もgithubからwgetして同梱しているだけなので、同じことをビルド手順上でもやってしまえばいいと思います。
dockerか何かでビルドするスクリプトを書いて,GitHubのリリースにexec.so
を上げておきます.
yuntanさんのリポジトリでやることに抵抗があるなら、organizerをmikutterにしても良いです。
上記お願いします.
toshi_a 初音 さんが5年以上前に更新
- 担当者 を で・じ・ きゃらっと から Yuto Tokunaga に変更
Yuto Tokunaga さんは書きました:
本当だ、exec.soってライセンス特に書いてないのか……。
exec.c
,env.c
のヘッダにMITライセンスの記載がありました.改変して使って大丈夫そうです.今もgithubからwgetして同梱しているだけなので、同じことをビルド手順上でもやってしまえばいいと思います。
dockerか何かでビルドするスクリプトを書いて,GitHubのリリースに
exec.so
を上げておきます.yuntanさんのリポジトリでやることに抵抗があるなら、organizerをmikutterにしても良いです。
上記お願いします.
用意しました。このリポジトリのAdmin権限を付与しているので、よろしくおねがいします。
https://github.com/mikutter/AppImageKit-checkrt
Yuto Tokunaga さんが5年以上前に更新
GitHubからexec.so
をダウンロードしてAppImageに含めるパッチです.
toshi_a 初音 さんが約5年前に更新
- 担当者 を Yuto Tokunaga から で・じ・ きゃらっと に変更
チュートリアルを流して外部ブラウザが起動できることを確認できました。
topic/1364-x ブランチに頂いたパッチを取り込んだので、確認してみてください。
ただ、 #1371 の解決のためにRuby-GNOME2 3.3.7を使うようにしましたが、この問題が発生するようになってしまいました。原因は調査しきれていません。
一旦この問題は無視して、チュートリアルでブラウザがちゃんと開けるようになっていることを確認していただきたいです。